「週刊現代5月1日号(4月19日発売)」
「週刊現代創刊45周年記念特別企画 沢木耕太郎×山野井泰史
『垂直の情熱』について なぜ人は山を登るのか」
・以前、山野井通信で「有名なノンフィクションライターの人との対談が出る予定」と予告されていた分がこれですね。
<感想>
沢木耕太郎との組み合わせ、というのにまずびっくりです。しかも、カラーグラビア8ページで。
専門的なクライミングの話を、ごく一般的に分かりやすいように噛み砕きつつ、重要な話題を引き出していっているのは、さすがに沢木氏だと思いました。
対談を読むと、沢木耕太郎と山野井泰史は、確かにお互いに共通項が多いように思え、話はスルスルと流れるように進んでいきます。たぶん、良い雰囲気で対談が行われたのではないでしょうか。
(ということは、この二人の組み合わせを考えた編集者がすごいのか。)
以下、山野井氏の言葉からの抜粋。
「(小学5年生のとき山に登り始めて)以来、28年間一日たりとも山のことを考えない日はなかったと思う。」
「他の人が悩んでいることが僕にとってはどうってことないように思える。(中略)生きるか死ぬかの判断を、年に何度かしているわけですね。そうすると、この下界でのことというのは、どうってことないじゃないかって。命取られるわけじゃないし、なんでそんなにビクビクしなきゃならないのって思う。」
「後悔って一つもないですね、今までの人生において。」
「こういう体になってまた面白くなってきたなと、今、本当に思っています。」
・ギャチュン・カンの話は色々なところで何度も読んでいるはずなのに、やっぱりゾクゾクしてきました。
対談も、写真も素晴らしいので、この先をもっと読んでみたい気分になります。
また、対談だけじゃなく、沢木氏による後記みたいなのもあればよかったと思うし、佐瀬稔氏亡き後、ここは、沢木氏に山野井泰史の評伝を書いて欲しいとも思えてきました。