3月12日土曜ワイド劇場「森村誠一の密閉山脈 殺された婚約者、雪山に氷点下30度の遠隔トリック…山岳パトロール隊熊耳警部補の推理解析」

(タイトル長っ)
さて、昨日の原作をふまえた上で、テレビドラマ版を見てみました。
舞台は、八ヶ岳およびK岳から谷川連峰神待岳(かまちだけ)になってました。その他アレンジ多数。一つ一つ挙げればきりがないほど。もちろん、原作そのままだと、山の事情も、人間ドラマの部分も古臭く感じるでしょうから、脚色は大いに結構だと思います。
それにしても、映像にすると、どうしてこうも陳腐に見えてしまうのでしょうか。小説だったら、ごく自然に思える部分も、ドラマで見ると、どうにも不自然極まりなく感じます。
あまりにも突っ込みどころが多くて、どこにどう指摘を入れていいものやら良く分かりません。やはり2時間ドラマに期待するのが間違っているのでしょうか。
ストーリーとしては確かに「密閉山脈」なのですが、見た後(読後)の印象が全然違います。
ただ、単なるアレンジではなく、室内壁でのクライミングシーンやK2壮行会など全く原作にない場面も盛り込まれており、その意欲は買いたいです。とくに、熊耳の過去が語られるところなどは、原作にない部分で、彼のキャラクターをうまく膨らませていると思いました。


原作未読で、ドラマを見てしまった人へ。
ぜひ、原作を読んでください。トリックを知っていても十分楽しめると思います。昨日の感想にも書きましたが、原作は山岳ミステリの歴史に残ると思える大傑作です。各出版社からいろいろ出てますので、手に取りやすいと思います。
森村誠一公式サイトの「密閉山脈」リスト