「フリークライミング」(山と溪谷社/北山真編)
ヤマケイテクニカルブック登山技術全書第7巻
著者は、新井裕己、北山真、杉野保。
すべてを熟読したわけではないが、全体的なファーストインプレッションを。
目次
第1章:基本編
第2章:用具編
第3章:技術編
第4章:ムーヴ編
第5章:クラック編
第6章:マルチピッチ編
第7章:ボルダリング編
第8章:ルート開拓編
第9章:トレーニング編
第10章:コンディショニング&ケア編
上記目次をみてもらえば分かるとおり、フリークライミングに関することなら、ほとんどすべて書かれていると言えるほどの内容。カラー写真、図版は多数使用され、文章も多く、情報量は非常に豊富。
初中級者には、基本を押さえる意味で有用であるし、第8章以降は、上級者でも読むべき部分がある。ルート開拓に関して、こうしてまとめられるのは初めてではないだろうか。トレーニングやコンディショニング、さらにはおもなコンペの優勝者から用語集まで「これでもか」というくらいの情報が詰め込まれていて圧倒される。
個人的には、ロープを連結する「バタフライノット」が目新しいと感じたところ。この結びは、救助訓練でロープのフィックスに使ったが、2本のロープの連結の方法として「最新かつ最良の結び方」と海外で紹介されているそうだ。
あと、「読んでおきたいフリークライミングの記事・単行本」には、古い「岩と雪」なども紹介されていて、まさに読んでみたくなる。
これからフリーを始める人はもちろん、基本はマスターしているという人でも、最新の情報(状況)を知るうえで、「フリークライミングの教科書」として、じっくり読んでおきたい本である。
参考(最近出版されたフリークライミングの技術書)
◆「ベーシックフリークライミング」(東京新聞出版局/菊地敏之)2003年7月
→【bk1】/【amazon】
とにかく、ムーブの解説が詳細である。どういう動きをすればよいのか、どうするとダメなのか、大判の写真で詳しく解説している。ロープワークや外岩の解説もあり。
◆「Rock&SnowBooksフリークライミング」(山と溪谷社/木村伸介・理恵)2003年2月
→【bk1】/【amazon】
一冊のうち、半分が技術書で、半分がルートガイドという構成。お得な感じがするが、残念ながらどちらも中途半端な印象。ただ、ルートの解説が詳しいので、読んでいると登りたくなってくる。また「100名ルート」「タブー集」「スクールガイド」が他にはない特色。
◆「フリークライマーになる本」(耷出版社)2001年5月
【bk1】/【amazon】