「ファイナルシーカー レスキューウィングス」(MF文庫J/小川一水)

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ファイナルシーカー レスキューウイングス

昨日、コミック版を紹介しましたが、こちらは小説版。
いくつかのエピソードが連なって物語が構成されており、山岳遭難救助の話は、西穂と白山が舞台。あとは海難救助とか自然災害とか。救助側の視点なので、山岳描写に関しては、あまり詳しくはありません。
独自のSF的設定が、ドラマを盛り上げていて、わりと面白かったです。
小川遊水池



なお、「レスキューウィングス」は、コミック版が二種類、小説、アニメとありますが、航空自衛隊救難隊を舞台にしている部分だけが同じで、主人公や設定などはそれぞれ異なっています。話につながりもないので、どれから見ても(見なくても)問題はありません。


ところで、山岳遭難におけるヘリレスキューと言えば、警察(消防)か民間のどちらかだという印象が強かったのですが、航空自衛隊が出てくることはどのくらいあるのでしょうか。今回、この「レスキューウィングス」の一連の話を読むまでは、存在すらほとんど頭にありませんでした。警察も民間も出られなかったときの「最後の砦」として、救難隊があるようなので、相当な事態に陥らない限り、出番はなさそうにも感じます。
航空自衛隊航空救難団ホームページ」の「トピックス」を見る限りでは、平成17年には、山岳遭難救助は一件も行っていないようです。(それにしても、このホームページは手作り感が満載ですが……)

参考:
山岳事故時のヘリコプターの活用について考える
ヘリコプター救急 - Wikipedia
「朝雲」グラフ特集



実際の活動状況がどんなものなのか、『翼を持ったお巡りさん』(警察)や『空飛ぶ山岳救助隊』(民間)のようなノンフィクションを読んでみたいと思いました。


翼を持ったお巡りさん―ヘリ救助にかける富山県警察航空隊の現場から
翼を持ったお巡りさん―ヘリ救助にかける富山県警察航空隊の現場から

空飛ぶ山岳救助隊―ヘリ・レスキューに命を懸ける男、篠原秋彦
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