「白き高峰の殺意」(1 2 POCKET NOVELS/森村誠一)

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白き高峰の殺意

すでに何度か文庫化されていますが、新装版でノベルズになりました。山を舞台にした短編集で、収録されている作品は、『死導標』などとかぶっている部分も多いです。
森村誠一独特の山岳“ドロドロ”ミステリーがお好きな方はどうぞ。人間不信に陥ること間違いなしです。
たとえば『高燥の墳墓』はこんな話です。


冬壁で墜落。一人は無傷だったが、もう一人は骨折して動けない。岩陰でなんとかビバーク態勢に入るが、風雪は強まり全く動けない。3日が経ち、天気は回復したものの、骨折した男を背負っては下山できない。このままでは二人とも死んでしまう、そう考えた無傷の男は、パートナーを置き去りにして下山。しかも、食糧を残さず、さらには証拠を残せないように手帳なども奪った上で。


読むときは一編ずつにすることをおすすめします。まとめて読むと身体に良くありません。