「岳(第2巻)」(小学館/石塚真一)

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岳 2 (2)

遭難者が死んじゃう話が多くて、哀しいんだけど、ただ泣けるだけじゃなくて、それでも山に登りたい、という気にさせてくれる。そこがやっぱりこの『岳』の魅力でありすばらしいところ。
第3歩「滑落」で三歩の過去(帽子の由来)が判る話が秀逸。墜落シーンは何度見ても背筋が震える。この3ページのコマの流れはベテラン並み。著者の力を思い知る。
遭難事故発生→三歩駆けつける→解決(死亡/救助)
というストーリーで、よくここまでバリエーションを持たせられるものだと思う。しかも各話完結なのがまたすごい。
連載は、「ビッグコミックオリジナル増刊号」と同時に「オリジナル」本誌のシリーズ連載も始まった。クオリティを落とすことなく、多くの話を読めるのであれば、これほど嬉しいことはない。ぜひ、この質のまま続けていって欲しい。また、別途山の長編も読んでみたい。