エベレスト南西壁、ドリュ北壁、グランド・ジョラス北壁、K2北西稜などに挑むさまざまなクライマーの物語。
絵自体は古臭く感じるが、その分逆に妙なリアリティを感じる。物語も非常に泥臭く、熱すぎるほどの山の男たちの心情が描かれている。リアル系山漫画としては谷口ジローと双璧をなしているように思えるが、谷口ジローとはまったく違う魅力がここにはある。
お気に入りは、第八話「K2」。単なるエゴイストのアメリカ人、ドイツ人の話なのだが、「命を張ってでも、ちょいとやりすぎてみたい」瞬間というのも良いと思う。「裁くのはK2(こいつ)だ!!」というラストも印象的。