「山野井泰史インタビュー 垂直の愉悦」

話の特集 2005 創刊40周年記念」(WAVE出版)
【bk1】/【amazon】
10年間の休刊を経て、久々に復活した「話の特集」の中の一企画。
山野井泰史氏と元山と溪谷社の編集者の三島悟氏による12ページに及ぶ対談。そのほか、年表や山野井氏撮影によるカラー写真も。
今までの山のこと、山のもつ麻薬的な魅力、植村直己氏のこと、これからの話、など。対談相手の力量と言うのもあると思いますが、非常に内容が濃くて、読み応えがあります。

少し引用します。

  • たとえばヒマラヤでは、ああいう雲が来て、こういう雪の雰囲気で、空気の湿度が高まってきた、これはヤバイぞとぼくはなんとなくわかる。しかしそれを何十回ヒマラヤに行っても学ばない人っていうのは残念ながらいる。山を感じない人。それはもう才能だと思う。(それはセンス?)センス……ですね。
  • 野武士的に山に行きたい。スポーツマンの状態で山に行きたくないんです。ぼくは登ること、それだけが楽しい。
  • 頂上に到達するあと五メートル、一〇メートルというときには、もの哀しいというんじゃないですけど、だんだん静かな状態に入っていくことが多いですね。けっしてバンザイという感じではない。
  • (山野井さんにとって山って何でしょうか?)空気や水と同じで、自分の生命を維持させるために必要なものでしょうか。(生命維持装置?)そうかもしれない。

彼の著書「垂直の記憶」に心を動かされた人は、是非読んでみてください。
そういえば、山野井通信も1月31日に久々に更新されています。
話の特集 2005  創刊40周年記念