「奇跡の6日間」(小学館/アーロン・ラルストン、中谷和男)

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 アウトドアに熱中し冒険好きな若者アーロンは、砂岩がえぐられてできた深く狭いキャニオンで、落石に右腕を挟まれ動けなくなる。ほとんど陽射しも届かない地底に閉じこめられ、食料も水もなく自分の尿を飲みながら5日間、ついにアーロンはマルチツールのナイフで自分の右腕を切断し、脱出に成功する。
 アーロンは決してあきらめない。地底の5日間、迷妄・錯乱・幻覚にとらえられながらも、機械工学部出身のエンジニアらしく、冷静に脱出の方法を考え試行錯誤を繰り返し、両親や妹や友人を思い、これまでの生き方を反省し、生命の尊さ、愛の大切さ、生きるということの意味を突きつめて考える。そして自力でキャニオンを脱出したときには、中流家庭で両親と妹の愛情に包まれて育った甘えん坊のアーロンは、人間と自然に対する優しさと力にあふれた男性に成長している。最初の記者会見に臨んで、アーロンの第一声は、「ぼくは、しなければならないことをしたまでです」
(訳者あとがきより)

ライミング中の事故ではなく、キャニオリングをしていて、渓谷の底でひとり身動きが取れなくなるという話です。しかし、著者自身はクライマーで、装備もクライミングギアを持っており、それを駆使して、何とか脱出を図ろうとする部分が、クライマーにはリアリティを持って感じられるかと思います。
まださわりの部分しか読んでいませんが、かなり面白いです。
現場の写真があるのが、非常に生々しい……。


当時のニュースは、【海外ボツ!News】に詳しいです。
【海外ボツ!News】(2003年5月9日)「片腕切断の登山家が明らかにした《地獄の脱出劇》の詳細」