「社員をサーフィンに行かせよう」(東洋経済新報社/イヴォン・シュイナード)

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社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論

著名なクライマーであり、製品品質と環境を重視するアウトドア衣料メーカー「パタゴニア」の創業者でもあるイヴォン・シュイナードが、百年後も企業が存続するための経営理念を語る。

東洋経済新報社
「あの」シュイナードの経営論。
パタゴニアの歴史から、その理念まで。
直接的なクライミングの話はないものの、間接的にはそこかしこの話に大いに関わっている。
シュイナード・イクイップメント社設立黎明期の話から、クリーンクライミングの思想、訴訟による解散、そしてブラック・ダイヤモンド社への移行。
その辺の話だけでも充分面白い。
さらにパタゴニアの理念については、大きくページを割く。
まだ、パラパラとしか読んでいないが、名言の連発で、じっくり腰を据えて読まねば、という気にさせられる。
経済書にしておくのはもったいないくらい。
でも、これはまぎれもなく経営論。会社としてのシュイナード(パタゴニア)のあり方。

企業の責任とは何か(中略)。ビジネスとは実のところ誰に対して責任があるのか(中略)。それが株主でも、顧客でも、あるいは社員でもないという結論にようやく達した。ビジネスは(地球)資源に対して責任がある(中略)。健康な地球がなければ、株主も、顧客も、社員も存在しない

訳者あとがきにあるシュイナードのシュイナードの言葉だが、しびれるひと言。
クライマーはもちろん、パタゴニアを知るすべての人びと(知らない人も)に読んでもらいたい。