「ラスト・ブレス」(講談社文庫/ピーター・スターク)

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ラスト・ブレス<死ぬための技術>

人は常に死に向かい、すぐにでも最後の一息(ラスト・ブレス)を吐いて、一生を終える可能性を抱えている。雪崩で生き埋めになった若者、崖から転落した会社社長、海で大けがした新婚カップル。彼らはその臨死体験の中で、どんな苦しみを味わい、どんな肉体の変化を経験したのか。冒険やスポーツの中で出会う「死」の真実。

講談社文庫


一瞬、ノンフィクションかと思ったが、一部を除いて「寓話」ということらしい。
どちらにせよ、読みにくいのは、原文のせいなのか翻訳がわるいのか…。やたらに説明的でまどろっこしい文章が気になるところ。


本書は、死のケース別に11の話が盛り込まれている。
それぞれ、アウトドアでの活動が原因による死がメインの話で、舞台はそれぞれ下記の通り。
第一章 低体温症…雪山での交通事故
第二章 溺死…カヤック
第三章 高山病…アンナプルナ登山
第四章 生き埋め…スノーボードでの雪崩
第五章 壊血病…ヨット
第六章 熱射病…自転車レース
第七章 墜落死…5.9のフリーソロクライミング(場所不明)
第八章 人類の天敵…海水浴中の毒クラゲ
第九章 潜水病…スキューバ・ダイビング
第十章 脳性マラリア…ビーチリゾート?
第十一章 脱水症状…砂漠のジャーナリスト


直接的に山を舞台にしたものは、第三章「高山病」、第七章「墜落死」だが、低体温症、溺死(沢登り)、生き埋め(雪崩)、熱射病などは山でも起こりうる話だ。
話の内容はともかく、死の原因、死にゆく過程を考えるにはいいかもしれない。