「climb×max!!」(赤マルジャンプ/イチノセコウタ)

週刊少年ジャンプ」の増刊号に読み切りで掲載された、フリークライミングを題材にした少年漫画。


木登りが得意な中学生、江ノ倉がある日フリークライミングと出会う。
あこがれの女性教師(カナデ先生)につられて始めたクライミングに、夢中になってしまう江ノ倉。
カナデ先生には、思い入れのあるルートがあった。
学校の裏の岩山にある、お父さんの開拓したルート。
手を怪我して登れなくなってしまったカナデ先生に代わり、江ノ倉がそのルートに挑戦する。
しかし、彼は、室内壁だけしか登っておらず、外岩は初めての経験だった。
彼が初めての「本物の岩場」で見たものは…。
というお話。


思っていたより、良くできてました。
画のアングルや、ストーリーもいい感じ。
フォールの瞬間は、吸い込まれそうな感覚に陥りました。
その後江ノ倉を襲う猛烈な恐怖、さらにそこからの再チャレンジ、お父さんの幻、のあたりは良かったです。

クライマー達は自分達が拓(つく)ったルートの事を「作品」って呼ぶんだって
だから俺達にとってのルートは画家にとっての絵と同じだって…
だからかもしれんが岩を登ってると時折な
そのルートを拓ったクライマーの存在を感じる事があるんだ
同じホールドを掴み同じトップを目指しているうちに
まるでそいつがすぐそこにいるような
一緒に登っているような気がするんだよ

という部分もなかなか。


難点を言えば、室内壁全景のチープ感(まあ、むしろチープな方がリアルなのかもしれませんが)、岩の質感がのっぺりしすぎ、さすがにマルチピッチの5.13bは厳しいのでは、というところが気になりました。
あとは、読み切り45ページという宿命で、話を急ぎすぎてるのが残念。
アンケートの結果次第では、本誌での連載もあるでしょうか?


ところで、「週刊少年チャンピオン」で「オーバーハング」(木村県士)というクライミング漫画を短期集中連載していたみたいですね。すっかり見落としてました。5話で完結(No.16〜20)したらしいのですが、単行本にはならないかな…。