「イカロスの山(第8巻)」(講談社/塀内夏子)

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イカロスの山 8 (8)
登頂して下山を始めたものの、また登りだして、ザイルを切るとかどうとかいう第8巻。
ザイル切断は超古典的テーマなので、いまさらそんなものを…という気もしますが、まあ盛り上がるところなのでしょう。
ただ、滑落の瞬間は、緊迫感があって良かったです。

聖域を侵す者を神々が許さなかったのか
それとも太陽まで登った男を 女神が欲したのか
―いや それは多分
山が呼吸をするように
自然のいとなみを
繰り返しただけなのかもしれない……

このあたりはいい感じです。


しかし、その先ですね。問題は。
二人とも動けなくなって、ザイルを切るというのはどうにも納得いきません。
(どう見てもセルフビレイをとっていませんが)三上はセルフビレイをとっているらしいので、そこから自己脱出して欲しいところ。せめて、そのそぶりだけでもしてくれないと…。あの状況下で90kgを引き上げるのは無理ですよ。
セルフレスキュー』くらい読んで勉強してください。


最後に残った支点にかけられたカラビナの方向があちこち向いたり、突然ワイヤーになったりするのは、もうどうでもいいところですね。あと、GPSの機能とか、酸素ボンベの大きさとか、8000m峰とはとても思えない彼らの動きとか………。


第9巻は8月23日発売予定です。
講談社コミックス発売予定