「天空の祝宴」(PHP研究所/堂場瞬一)

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天空の祝宴

フリークライミングはもっとも孤独なスポーツの一つだろう。しかし、これほど「自分は一人ではない」と感じさせるスポーツも他にない。
 岩本空(いわもと・そら)はフリークライマー。世界各地を転戦して大会に出場し、ヨセミテなどでフリークライミングに挑んでいた。しかし、クライミングの好敵手(ライバル)で、親友でもあった江藤が、ヨセミテの巨大一枚岩「ザ・ウォール」攻略中に転落死した!?
 以来、競技の第一線から退き、義父の店でフリークライミングの教室を手伝う岩本のもとに、江藤の妻・夏海が突然訪ねて来る。一周忌を前に遺品を整理し始めたら、江藤の日記が見つかったというのだ。それには、今まで誰も成功していない「ザ・ウォール」の初見での登攀(オン・サイト)成功にかける江藤の熱い思いが綴られていた――。
 地球(ホシ)に自らの爪あとを残すことに情熱を傾ける、孤高のアーティストとも言える男たちを熱く描いたクライミング小説。
PHP研究所

フリークライミングを正面から取り扱った小説は、かつてなかったのではないでしょうか。
マンガだったら、『オンサイト!』(尾瀬あきら)などありましたが。
スポーツ小説がもてはやされている昨今、ついにフリークライミングにたどり着いたか、という気分がします。
著者は、スポーツ小説、警察小説の書き手として定評のある作家です。
これまで、野球、ラグビー、マラソン、プロレスなどを描いています。
これは、本格山岳小説に対して、本格フリークライミング小説とでも言えばいいでしょうか。
これから読みますが、期待大です。