「おれたちの頂(全2巻)」(講談社/塀内真人(夏子))

【amazon】
 1984
 サッカー漫画の「Jドリーム」などを書いている作者の初期(昭和58年)の作品。もう山の話は書かないのだろうか。
 小学生で山を知った少年が、厳冬期エベレスト南西壁を登るまでになる成長記。顔がだんだん大人っぽくなっていく様子が、印象的。週刊連載の少年漫画だけあって、話の盛り上げ方がすごい。主人公たちをアクシデントが次々に襲い、ぐいぐいと読ませる物語になっている。これだったら、山を知らない人間にも命を賭けた友情物語として読ませられるのかもしれない。
 ただ、ちょっと話を急ぎすぎているように感じるのが残念。一つの山について語られるのが1話から2話分しかないので、あっけない感じがする。物語の進み方は早いが、もっとじっくりと読ませてくれればと思う。週刊連載だけにいろんな事情はあったのだろうが。